Purple Town

紫あつしと同人サークル「ひつまぶしパラダイス」の同人情報やアニメの舞台を旅して回っています。

Gのレコンギスタ試写会に行ってきました

先日、福岡市美術館にて行われました

Gのレコンギスタ試写会に行ってきました。

私は放送当時に見てないので、実のところGレコは

これが初見だったのですが、監督の言うところの

「子どもに見て欲しい」というには難解な気がしました。

10歳くらいに見て欲しいとすると私が初めてZガンダム見た歳ですね、

先日も言ったのですがこの当時にZの視聴は続きませんでした。(笑)

いや、Zよりは雰囲気は暗くないですし主役のガンダムもすぐに

出てくるのですけど、監督の言いたいテーマが先行しすぎてるのかな、

特に主人公の感情が追いにくい気がしました。

アムロの方がだいぶ分かりやすいですね。

 

でも、これでだいぶ修正が入ったとすると、放送当時は言われてる通りに

相当分かりにくい内容だったのではないかと。

で、美術館では「富野由悠季の世界」展が行われてまして、

当然Gレコの展示もあるので先の展開を断片的に知ってるのですが、

これは知ってないと理解しにくいなっていうのがある気がして、

でもそれを作中を見ただけで伝わらないなら失敗だと思うわけです。

そのおそらく内部関係者向けの富野監督のGレコ反省文書は美術館でも

公開されていまして、劇場版はこう直すという記述が明記されてます。

特に第4部と第5部に大きく修正を入れてるというので

残り4部でどう決着するのかは気になるのですが、

帰ってきて衝撃の事実を知りました。

 

福岡というか九州の映画館で上映がない!

 

av.watch.impress.co.jp

びっくりしましたね。最寄りの映画館が広島とは。(笑)

 

そうかー、いや、この試写会のあとに富野監督のトークイベントも

行われたのですよ。

で、『天気の子』が興行収入100億突破したというニュースに触れて

「私はサンライズから期待されてないですからね、

でも第1部をやったらこっちのもんです。5部まで

やらざるを得なくなりますから」

と富野流毒舌ジョークを飛ばしてたのですが、

上映劇場がそんなにないのを知ってたんでしょうね。

『天気の子』関連では

「向こうが大ヒットして興行に関わるものとして

悔しい気持ちはありますよ、そういうのを作れてたら

今頃文化人になれてました」

とか毒を飛ばして笑いを取ってたのですけど、

全部が冗談ではないなっていうのは

ちょいちょい「あのおもちゃ屋が」とか軽口を叩きながらも

「いろんな制約があったからこそ作品を作ることが出来た。

だからその環境を積極的に利用してやろうと思わなければ

成長できなかった」

っていう監督の言葉を借りれば敵愾心、もう少し

マイルドにすれば反骨心というべきでしょうか、

それこそが富野監督の作品を作らせた原動力だと思います。

負ければ作り手として何歳になっても悔しいし、

悔しいと思う限り作品を続けるんでしょう。

「5部までのコンテは1年前に全部切り終わってるので

もし明日私が死んでもGレコは5部まで完成します」

と言ってましたが、多分あと10年くらいは全然大丈夫な

気がしました。『閃光のハサウェイ』もありますし、

その次くらいも現役っぽい気がします。(笑)

 

『天気の子』に負けてるっていうのは

割と意識が強かったのかもうひとネタ。

「ここは霞がかってるだけでいいって言うのに

背景の人たちがわざわざ新海雲を描いてくるんですよ。

技術のある人たちがあるお手本になるものを見てしまうと

描けてしまうんでそれをきっちり描いてくるようになるんですね。

あまりに修正する場所が多すぎて第2部から

諦めました。(笑)」

 

個人的な思いとして。

新海誠展に行った際に書いたことで、

背景は主張しないのが当たり前だったのに背景だけで

誰の作品か分かるのが新海作品の凄いところと評したのですが、

やっても名前が表に出ない背景画家の人たちにとっては

やっぱり新海背景は革命だったと思うのですよ。

技術的にも真似てみたくなる要素が多いですし、

私が背景画家ならやってしまうでしょうね。いらないと言われてても。(笑)

 

文章に起こすと若干荒い感じになってそうですが、

毒舌飛ばすたびに会場はドッカンドッカン受けていたとだけは

ちゃんと書いておきます。(笑)

個人的には富野監督はまあまあ屈折してる感じがあるなあというのが

初めて富野監督の生トークを聞いた感想ではありますが、

それは美術館の展示を見てたときから感じてましたし(笑)、

でもそういう原動力があったからこそもうすぐ80歳になろうと

していてもまだ作り続けていられるんだろうなと思います。

俗な言い方をすればロックな人だと思います。(笑)

 

次の神戸の美術館でも試写会&トークショーがあるみたいなので

行ける方は応募した方がいいですよ。

監督の話は聞いておいて損しないと思います!

ちなみに福岡は当選倍率10倍だったみたいで

よく受かったなあと思いながらも、富野監督は

「だったら試写会を10回やるかもっと人数入るところで

やればいいんじゃないの?サンライズもケチだね」

と毒吐いてました。もちろん会場大爆笑でした。(笑)

 

最後に。

富野監督は自身であまり自由にやれた作品はないけど

一番好きだったのはザブングルだと言ってました。

ザブングルが好きだったらもっとそっちに振ることも

出来たでしょうに、不器用な方だなとVガンダムとか思い出すと

そう感じますね。

Vガンダムが元々はSDガンダムから入った子どもたちを

取り込むことを企図したということも分かる

富野由悠季の世界」展、福岡は9月1日までですー。